漁港・港湾・海岸点検調査の様子(陸上)

【漁港】陸上で変状の目視点検中

【漁港】陸上で変状の目視点検中 ※漁業で日常的に使用される

【港湾】陸上で変状の目視点検中 ※重量物の荷揚げが多く、痛みやすい

【海岸】陸上で変状の目視点検中 ※高潮から住民を守る海岸の防潮堤

都市部や各地方、離島の漁港や港湾を歩き、変状箇所(コンクリートにひび割れが入っていたり、欠けた所)を
見つけて、その大きさを計測します。また、その変状が合わさって岸壁や堤防全体に影響を与えるものなのかどうか、
周囲を注意深く確認します。

岸壁側面のコンクリート欠損や開きとともに、岸壁の上にあるエプロン(岸壁近くの表面コンクリートなどのこと)
が沈下傾向にあったりしますので、立体的なものの見方が必要です。
※岸壁内部の土砂が外部に流出する場合があります(吸出しと言います)。

港を主に利用するのは、漁師、食料や石材などの資源運搬者、プレジャーボードの利用者などになり、
一般的には直接の関係は少ないですが、間接的には食料や工業製品調達などの面で大いに関係していますので、これを
維持管理していくのは重要なことになります。

1995年に起こった阪神淡路大震災では、日本を代表する港である神戸港に大きな被害をもたらしました。
外国から来たコンテナを積み下ろしするクレーンが倒れ、船が着岸できない状態になり、全面的に復旧する
までに丸2年かかりました。

現在はそれを教訓として、日本各地で岸壁の耐震化が進められています。
また定期的な点検により、変状のある箇所を見つけ補修して、いつでも利用出来るようにする必要があります。

 

漁船が並ぶ漁港""

漁船がいっぱい

のどかな漁港では、地元の漁師さんと挨拶をしながら点検を進めます。

大体の方に「工事をするのか?」「どこを直してくれるんだ?」との質問を頂くのですが、その度に
「すみません、直す前にどこが悪いか点検しているんですよ。」と答えます。
そうすると悪い箇所や、港が昔はどのような形状でどう使われていたか、などを教えて頂いたりします。

点検員は変状の原因を探る能力だけではなく、作業を円滑に進められる人間力が必要です。
地元の邪魔をしないように、地元最優先、は鉄則です。