河川の橋脚では、基本的に上流からの水流が絶えず当ります。
※河口部では海水が遡上する場合もあるので、上下流の水流となります。
また、海にかかる橋の橋脚では、四方八方から水流が絶えず当ります。
そうすると、周囲に根固め石など(橋脚の周囲に袋詰めの石などを設置して、洗掘から守るもの)を配置して
いない場合、橋脚の周囲が水流によってえぐられ、洗掘する場合があります。
洗掘が進むと、橋脚の基部が露出してついには橋脚が流されて、橋梁倒壊の原因となりますので、
定期的な洗掘状況の点検が必要になります。
想定より水流を受ける場合、費用はかかりますが根固め石などの配置が必要になる場合もあります。
橋脚の周囲を、潜水士が点検しています。
周囲より若干、洗掘していますね。
潜水士は橋脚をぐるぐると周り、基準深度より浅くなっているのか、深くなっているのか調べます。
実際の所、河床(川底の砂や石)の高さは生き物のようで、随時変わっていきます。
特に洪水中は洗掘され、しばらく経つと堆積が進み埋め戻されていきます。
ですので、標準的な時期に調査を実施し、標準値を探る必要があります。
洪水中や洪水直後に、点検して欲しいとのお話しを頂く場合もありますが、水が褐色に濁っており流木などが
衝突する危険性がある為、潜水士による調査は実施できません。
橋脚が根固めブロックにより守られていますが、水の流れがちょっと変わること(水が川幅均一に流れていた
ものが、右側に集中するようになった、など)で、根固めブロックの下部が洗掘され、ブロックが流される
こともあります。
水を制御することは難しく、太古の昔から人間が苦心してきたことも頷けます。