河川点検の様子(空洞化調査) ※コアボーリング

河川護岸では、上部にある道路や背後の土砂を支える為に、コンクリートブロックや石材を積み上げたり、
コンクリートを一面に打設(塗ったり)します。

そこへ想定外の外力(車両の荷重など)がかかった場合などに、護岸表面のコンクリートと
背後の土砂が離れ、空洞が出来ることがあります。

そうなると護岸の支持力が低下し、護岸上部の道路が陥没するなどの事故につながりかねないので、
空洞化した場所を見つけ、適切に補修することが重要です。

ここでは、その空洞化調査(コアボーリング)の方法をご案内します。

 

河川護岸のコアボーリング中

コアボーリング中

変状の大小と重要度を勘案した上で、コアボーリングマシーンにて、護岸に穴を開けます。
コアボーリングマシーンには、電気式油圧式があり、水上では電気式、水中では油圧式が使われます。

水中に接するような微妙な所では、油圧式の出番となります。
一般的な河川点検では、電気式で事足ります。

 

河川護岸内部の空洞化を目視で確認中

穴の中を見て確認中

コアボーリングマシーンで穴を開けて、護岸背後に空洞があるか目視確認しています。
通常は、護岸の直背後には1個10~20cm程度の石(裏込石という)がたくさん配置されています。

 

河川護岸内部の空洞化をファイバースコープで確認中

穴の中をファイバースコープカメラで確認中

穴の中にファイバースコープカメラを突っ込み、空洞があるか確認します。
空洞があった場合、どこまでそれが広がっているか想定堆積を算出します。

 

河川護岸のコアボーリング箇所を無収縮モルタルで復旧中

穴をしっかりと埋め戻す

護岸を壊しては元も子もないので、無収縮モルタルを丁寧に埋め込んで補修します。

 

目視点検では見えない、護岸背後の状況はこのように調べられています。
目視点検がしっかりと出来ていないと、どこが悪そうな箇所なのか抽出も出来ませんので、まずは
目視での確認が重要です。

他記事でも述べましたが、立体的な変状(護岸の側面が川側に膨らんでいて、上の道路が沈下気味 など)
を感知して、その要因を理解できるようになるのが先決です。