河川で見る変状と補修 ~樹木の繁茂~

河道(川底)で育つ、樹木たち

河道(川底)に樹木が根付いて、その上の橋に届きそうな高さにまで、成長しています。
誰かが意図して植えたわけではなく、木は生命力が強いため、自然に生えて来ます。

これをずっと放置して木が大きくなると、川の氾濫につながることがありますので、定期的な伐採が必要です。

 

洪水で、川が高速に流れる

夏に多い、洪水
台風が来たり、大雨が降ると、川へ水・土砂・ゴミが一気に流れ込み、茶色い濁流になります。

その水の早いこと、早いこと!!
万一、川へ落ちてしまえば命の保障はありません。

ここに木が生えていると、水・土砂・ゴミをせき止め、まるで天然のダムの様になり、更に水位が高くなることがあります。

 

洪水で木のてっぺんにまでからまったゴミたち

洪水で木にからまった、民家近くのゴミたち

洪水が去った後、木の上流側にたくさんのゴミが、からみついているのが見えます。

レジ袋、プラスチック製品、トタン板、枯葉、自転車など、川にあるゴミが木で止まり、
木が、流下阻害(川の水が下流に流れる際に邪魔になること)となっていたことが分かります。

洪水時に、川の水位がどこまで上ったかは、このゴミが木のどの高さまでに残っているかで判断できます。
護岸ぎりぎりにゴミがあれば、それは氾濫の危険があった証拠になります。

 

洪水で根こそぎ流された大木

洪水の勢いが強いと、大木を根元からえぐりとり、流出させることもあります。

これらが川の中で積み重なると、更なる流下阻害となり水の流れをせき止め、水が護岸を越えて市街地にまで
到達して住民や住居に被害を与える、川の氾濫の危険性がより高まります。

 

樹木伐採の様子

樹木の繁茂による川の氾濫を防ぐためには、定期的に樹木を伐採する以外に方法がありません。
管轄の土木事務所が、樹木の成長度合いを見て、その伐採時期を決めています。

川幅が数十~数百mもあるような川では、伐採した樹木を無料で配布している地域もあります。
冬に薪を使う地域で、特に重宝しているそうです。
大きくは宣伝されませんので、役所の広報誌をご覧下さい。

川に生えている木とゴミと氾濫には、密接な関係があります。
もし危険そうな木を見つけましたら、管轄の土木事務所に通報することも可能です。

きちんと維持管理して、災害を減らしたいですね。
木に付いたゴミが、真実を知らせていることがあります。